COLUMN コラム

車間距離の確保で事故リスクを大幅に低減

交通事故の防止には、まずは適切な車間距離の確保が必要だと言われています。しかし、交通事故はなかなか減らず「車間距離の確保」は身近なテーマでありながらも、なかなか実現できない課題として存在し続けています。

警視庁の「令和3年中の交通事故の発生状況」によると、事故類型別の交通事故発生件数は追突事故の構成率が最も高く、30.5%を占めています。こうした追突事故の主な原因として挙げられるのは「適正な車間距離を保てていないこと」によるものです。

適切な車間距離を保つことには(下記のように)多くのメリットがあり、事故に限らず運行品質の向上にあたり、運送事業者にとってはどれも不可欠なものです。

  • 追突事故の防止
    →前方車両が急ブレーキをかけた際に、追突を防ぐことができる。
  • 運転の余裕
    →予期せぬ運転状況に、急ブレーキや急ハンドルなどせずに対処できる。
  • 荷物や乗客の保全
    →急制動の抑制により、荷崩れや車内転倒事故の防止ができる。

ただ車間距離の把握といっても、実際にはスピードの変化によって適正な車間距離(秒数)は刻々と変わっていきます。調査によると、自分が感じている前方車両との車間秒数は、実際の秒数よりもかなり短いことが分かっており、ドライバーが3秒程度車間を取れていると思っている場合でも、実際には1.2~3秒程度しか取れていないことがわかりました。これよりもさらに短い車間で走行している場合も多く、これが予期せぬ状況で事故が起きてしまう原因となっています。

参考 :北大路書房 交通行動の社会心理学(高木修 監修)第6章「車間距離とリスクテイキング(太田博雄)」による図表を一部修正

1.5秒前に警告すれば90%以上の事故が回避できる

追突事故発生の危険性と回避時間の相関関係を調査した結果、追突事故が起こるであろうタイミングの1.5秒前に警告すれば90%以上、2.0秒前に警告すればほとんどの事故が回避できるという結果が出ています。適正な車間距離を保っていれば、自らの気づきや早めの警告によって多くの事故を防ぐことができます。

参考:AXA Winterthur’s Swiss Branch(February, 2009)

モービルアイは人間の感覚による車間距離判断ではなく、客観的な車間距離判断によって、危険な車間秒数を警告します。警告が鳴るとドライバーはその瞬間が危険な運転状況(=事故リスクが高い状況)であることを認識し、運転中に警告が繰り返されることで自然と交通事故の危険を回避する「学習効果」が期待できます。車間距離を広めにとる運転習慣ができれば、交通事故のリスクを最小化することができます。

令和3年中の交通死亡事故発生件数を法令違反別(第1当事者)にみてみると、安全運転義務違反が全体の53.6%を占め、中でも漫然運転(13.7%)が多く、運転操作不適(12.9%)、安全不確認(11.5%)、脇見運転(9.9%)と続き、これらが多くの追突事故の原因と考えられます。

ドライバーもその日の体調や時間、疲労の状況で集中力が保てなくなる時があります。そのような場合に上記のような事故が起こりがちですが、モービルアイでは「車間警報」だけでなく、「追突警報」「低速時追突警報」「車線逸脱警報」「歩行者警報」が装備され、運転状況に応じて事故の予兆を検知し、ドライバーに警告することで事故を未然に防いでいます。

また、モービルアイはデジタコやドラレコといった外部機器との連携により、車間秒数や警告数、動画等を活用した運転状況の記録と把握が可能になります。
さまざまな指標を組み合わせて安全指導を行うことで、さらに事故リスクを低下させることが可能となります。